今日、あなたが高校を卒業しました。
そしてこの春、沖縄を離れ、東京へ。
胸の奥が、静かに揺れています。
寂しさもある。
でもそれ以上に、深い感謝があります。
私は厳しい母に育ちました。
愛は確かにあったけれど、
私はいつの間にか、本音より“正解”を選ぶ子どもになっていました。
空気を読むこと。
期待に応えること。
波風を立てないこと。
その経験が、今の私をつくっています。
弱い立場の人の気持ちを想像できるのは、
声にならない思いに気づこうとするのは、
あの時間があったから。
でも母になったとき、私は願いました。
あなたには、私のようになってほしくない、と。
もっと自由に。
もっと、自分の気持ちを大切にしてほしい、と。
けれど気づいたのです。
あなたは、私の延長ではない。
私の理想を叶える存在でもない。
あなたは、あなたでした。
性格も、感じ方も、選ぶ未来も。
似ているようで、まるで違う。
その違いを受け入れたとき、
私はようやく「育てる」という言葉の意味を知りました。
子どもは、形を整える存在ではなく、
そのままを尊ぶ存在なのだと。
経営をしていると、
人を導く立場になることがあります。
でも本当に大切なのは、
導くことよりも、信じること。
そのことを、あなたが教えてくれました。
私は未熟なまま母になりました。
迷い、揺れ、立ち止まりながらの18年。
それでもあなたは、
そんな私を母にしてくれた。
あなたの存在があったから、
私は「強くなること」よりも
「深くなること」を選べるようになった気がします。
あなたは、私の娘である前に、
ひとりの尊い人間。
沖縄を離れることは、
距離ができることではなく、
あなたの世界が広がるということ。
うまくいかない日もあるでしょう。
自分がわからなくなる瞬間もあるかもしれない。
でも、覚えていて。
あなたは、条件なく愛されてきた人だということを。
それは、どんな場所にいても
あなたの足元を支える静かな土台になります。
卒業おめでとう。
そして、ありがとう。
未熟な私を、母にしてくれて。
東京で、あなたの人生を生きてください。
私は私らしく。
でも、あなたの幸せを祈る気持ちは、
これからも変わりません。
母より

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